第六章 ラザレフの王シャウザーの決断
ディアマンディの指の蛇の指輪が眼を光らせた。 すると、 ゴゴゴゴゴゴゴ という地鳴りと共に、大地が蛇のようにとぐろを巻いて、ディアマンデイを乗せて起き上がった。 「我が創造主が、この娘への手出しを許さない。貴様らの剣も我が創造主が作った剣。触…
薬草研究家ルマーロ親子と共に貿易国ツェストルバンタに到着した光の魔法使いトレルブの心が同じダイヤモンドの蛇の指輪を指にする娘ジュディの心とシンクロした。 (良かった。生きていてくれたんだな) 親なら誰もがそうするように、トレルブの心が娘ジュ…
アリデラードを離れて7回、夜が流れた。 海を越えて貿易国ツェストルバンタにジョウリーが到着すると、 馬に跨る長い黒髪を後ろに束ねる見知らぬ男が眼の前に現れ、馬から降りた。 「その背中に吊るす長剣、ラウリー・ウェイブランドの息子か? 」 (コイツ…
山の集落でハリドが全身の毛を立たせて震えていた。 (俺は友を独りで戦わせて黙っていても良いのか?生まれて初めて出来た友を独りで戦わせるのか?そんなのダメだろ?共に生きて共に死のう。生まれて初めての友だ。あいつにだけ苦しい思いはさせられない。…
トレルブの指に絡みつくダイアモンドの蛇の指輪が痛みを与えた。 「何だ?この痛みは? 」 娘が近くに居ると伝えている。 「ジュディ… 近くにいるのか? 」 ルマーロを探して馬の手配をした。 王と王妃を救ったトレルブに手を貸さない者はいない。 「私もお…
ラザレフ城を出たシャウザーが吠えた。 「360度逃げ場は無いぞ」 シャウザーが妖刀スナイキルを横に振るった。 ラザレフを囲んでいた連合軍の兵士達が片っ端から切り刻まれた。 上半身と下半身が真っ二つに切り裂かれた。 かろうじて切り裂かれなかった者達…
生きる者全て、黙って死を待つ者はいない。 モルガー、スパンク、その他の国々が力を合わせて作り上げられた連合軍の前では、ラザレフの漆黒の兵士達に対して少しの脅威も感じられなかった。 ラザレフの兵士全てが皆殺しにされた。 連合軍が武の大国と呼ばれ…
明け方、レウリーに邪念を斬られたラザレフの兵士たちは目覚めると、自身の身に何が起きたのか?も解らないままに何も持たずに乗っていた馬に跨り、来た道を引き返した。その事をクレイバーにレウリーが聞いた。そして、全身毛むくじゃらのハリドとレウリー…
ルマーロ親子、ジョウリー、光の魔法使いトレルブ、四人がアリデラードに辿り着いた。 アリデ・ラードの姫アリシーヌを探してルマーロがトレルブを連れて王と王妃の元へ向かった。そして、奇跡の瞬間が訪れた。 長い眠りの中から王と王妃が目覚めた。 アリシ…