明け方、レウリーに邪念を斬られたラザレフの兵士たちは目覚めると、自身の身に何が起きたのか?も解らないままに何も持たずに乗っていた馬に跨り、来た道を引き返した。その事をクレイバーにレウリーが聞いた。そして、全身毛むくじゃらのハリドとレウリーは語り合った。
「お前に頼みがある。お前はもう、立派な剣士だ。ここを守れるだろ?俺はここを離れる。危ない連中を始末しなければならない。ディアマンデイを守ってくってくれ」
ハリドは黙って頷いた。
朝、目覚めたディアマンデイがハリドに駆け寄った。
「レウリーはどこに行ったの?危ないの!両手を斬られる夢を見たのお! 」
ハリドの顔が青ざめた。
ディアマンデイの予知夢は本当に起きる予知夢だと知っている。
でも、今更レウリーを止める方法は無い。
「クレイバーとドラゴンで飛んだの? 」
言われて、ハリドが考えた。
「あれ?散歩に行く時に乗る黒い馬で」
それを聞いたディアマンデイが瞳を輝かせた。
「クレイバー!貴方の王が大変な事になる前に私に力を貸してえ! 」
ディアマンデイの目の前に白いカラスが集まり人の形を成した。
「どういう筝ですか?詳しくお聞かせください」
言われてディアマンデイが昨夜見た夢の話を聞かせた。
レウリーの腕が切り落とされる夢の話を。
「それは、、マズい」
人型のクレイバーの周りに無数の白いカラスが集まり
ドラゴンの姿を成した。
「乗ってください。黙っていられません」
ディアマンデイとクレイバーが空へ飛んだ。