山の集落でハリドが全身の毛を立たせて震えていた。
(俺は友を独りで戦わせて黙っていても良いのか?生まれて初めて出来た友を独りで戦わせるのか?そんなのダメだろ?共に生きて共に死のう。生まれて初めての友だ。あいつにだけ苦しい思いはさせられない。共に戦おう。それが友だろ? )
ハリドが立ち上がり集落の獣人に告げた。
「レウリーを放っておけない。俺はレウリーと共に戦う」
それを聞いた山の集落の獣人全てが歓声をあげた。
「その声を待っていたぞお!俺たちもそうする」
その言葉に喜んだハリドだが、不安に思った。
「でも、、ここは誰が守る? 」
獣人の女全員が吠えた。
「あたし達を舐めているのかい?人間よりはチカラがあるよ?ケモノビトだからねえ」
ハリドが苦笑いした。
「確かにな」
ケモノビト全員が刀を持った。
「行くか?友の為に」
「おおおおおおおおおおお!」
レウリーを独りで戦わせない。
山のケモノビトが結束した。