Justice of sword 剣の正義

魔法の剣にまつわるオリジナルファンタジーストーリーです。

第六章 ラザレフの王シャウザーの決断#6

山の集落でハリドが全身の毛を立たせて震えていた。

(俺は友を独りで戦わせて黙っていても良いのか?生まれて初めて出来た友を独りで戦わせるのか?そんなのダメだろ?共に生きて共に死のう。生まれて初めての友だ。あいつにだけ苦しい思いはさせられない。共に戦おう。それが友だろ? )

 ハリドが立ち上がり集落の獣人に告げた。

「レウリーを放っておけない。俺はレウリーと共に戦う」

それを聞いた山の集落の獣人全てが歓声をあげた。

「その声を待っていたぞお!俺たちもそうする」

その言葉に喜んだハリドだが、不安に思った。

「でも、、ここは誰が守る? 」

獣人の女全員が吠えた。

「あたし達を舐めているのかい?人間よりはチカラがあるよ?ケモノビトだからねえ」

ハリドが苦笑いした。

「確かにな」

ケモノビト全員が刀を持った。

「行くか?友の為に」

「おおおおおおおおおおお!」

レウリーを独りで戦わせない。

山のケモノビトが結束した。